オレンジの世界

「ありがとうございます。」

返却の手続きが終わり
図書室から出る。

「あ。」

ドクン
と一度胸がはねた。

下を向いていても
声だけで目の前に誰がいるのか
はっきりとわかる。

「結菜ちゃん。久しぶりだね。」

そっと顔を上げると
そこには予想通りの人物がいた。

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