オレンジの世界



「う〜…やっぱり外は寒い!」

「十二月だしね。これ貸してあげる。」

ふわっと首元に暖かみを感じた。
瀬良君が後ろからマフラーを巻いてくれた。

「ん、これでよし。」

「…めっちゃぐるぐる。」

「その方があったかいでしょ?」

口を隠すほどぐるぐるに巻かれたマフラーからは
瀬良君の匂いがした。

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