オレンジの世界

「思わない…けど、生きたいとも思えない。」


「……じゃあさ、俺のために生きてよ。」

「え?」

「俺のために死なないで。」


瀬良君は真剣な顔つきで私を見つめていた。


「………うん。」


そんな瀬良君を見ていたら
無意識に頷いていた。


「よかった。」


この時初めて
瀬良君の笑顔を見た気がした。

いつもより少し幼く
だけどやっぱり切なそうに瀬良君はほほ笑んでいた。
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