オレンジの世界

「初めて、笑ってくれた。」

瀬良君が私の頬に手を添えながらつぶやいた。

「…っ。」

頬に触れる瀬良君の冷たい手に
びくっと震えた。

「今、初めて、結菜ちゃんの笑顔見た気がする。」

「………私、笑ってた?」

「うん。すごい可愛い。」

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