オレンジの世界

緊張して少し手が震えた。


「……できたよ。」

「ありがとー。
……結菜ちゃんのにおいする。」

そう言ってマフラーを鼻まであげる瀬良君。

「…………へんたい!!」

いま、絶対、顔真っ赤だ。
寒さのせい。
これは寒さのせい!!


誰に言うでもない言い訳を
心の中で唱えながら
瀬良君と同じ電車に乗り込む。





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