オレンジの世界


「…?瀬良君帰らないの?」

「うん。」

「なんで?」

「ちょっと結菜ちゃんに用事。」

「用事って?」

「んー先生からポーチ返してもらったあとで言う。」

用事…ってなんだろう。

再び図書室に沈黙が流れる。

瀬良君はまた窓の外を眺めていた。

< 69 / 161 >

この作品をシェア

pagetop