Bright Future…




ベットに眠っている奏人。



握っても握り返してくれることのない
奏人の冷たくなった手。



そんな奏人をただ呆然と
見つめることしかできなかった。



「一昨日奏人がすごく危険な状態で
覚悟してくれってお医者さんに
言われたのよ。
奏人には伝えるべきか迷ったけど、
奏人にも愛華ちゃんにも
後悔して欲しくなくて伝えたの。
奏人はきっと分かっていたのね。



”親より先に死ぬなんて親不孝者だよな。
ごめんな母さん。産んでくれてありがとう”

あたしにそう言ったの。


そしてこれを愛華ちゃんに渡してくれって。」



そう言うとカバンの中から
封筒に入った手紙らしきものを
取り出すとあたしに渡して病室を
出て行った。


奏人から貰った最初で最後の手紙。


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