吸血鬼くんの話、
お昼を食べたあとは、三人で買い物に出た。
どうせずっといる訳じゃないから客人用の日用品を使ってもらうことにした。
今回、主に買ったのは服。
俺の小さい頃の服でもあればよかったけどあいにく施設に寄付したばかり。
家には満月に合う服はない。
「満月。どんな服がいいんだ?」
衣料品売り場で合いそうな服を探す。
満月は15歳以上のはずなのに、見た目はまだ小学生にしか見えない。
美少年とは、こんな子のことを言うのだろうと思う。
「これはどうだ?」
試着室のカーテンを開けた満月が着ていたのは白いシャツとハーフパンツ。
いかにも少年らしい。
「似合ってるよー!超かっこいい!」
ひかりが目をハートにしながら絶賛する。
俺はあまりセンスがよろしくないらしく、口出しをしないつもりだ。
「なら、サイズも合ってるし、これにしようかと思うが…どうだ?明」
満月は俺に意見を求めてきた。
値札を確認し、それほど高くなかったので
「うん。それにしよう。ひかり、他にも良さそうなのを見繕ってきて。満月はその服脱いでろ」
シャツとズボンを買うことに決め、ひかりに離れさせる。
満月に、聞きたかったから。
あの、誘拐犯について、なにか知ってるような気がしたから。
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