吸血鬼くんの話、
目が覚めて、時計を見ました。
朝が来て、次の日になったようです。
体調もよくなり、んーっとのびをします。
晴れやかな気分で今日も明を起こしに行きましょうか。
急いで着替え、自分の部屋を出て明の部屋に入ります。
「あきらー!おっはよー!」
元気に朝の挨拶をしましたが、明はぐったりと項垂れていました。
明が低血圧だという話は聞いたことがなかったので
「どしたー?明ー。具合悪いの?」
私がそう聞くと、明は閉じていた目を開きました。

いつもは茶色の瞳ですが、今は赤く、染まっています。

瞳が赤くなるときは吸血鬼の力を使ったときです。
「昨夜、いきなり襲われた…。強くなかったから、叩きのめしてから話を聞いたんだけどさ…」
明が、だるそうにしながら話を進めます。
よく分かりませんが、戦闘があったみたいです。
「大丈夫?どこも怪我してない?」
吸血鬼でも、傷は痛いものです。
人より治りが早いと言っても一晩で治るほどではありません。
「平気…。それより、さ…」
言いにくそうに、言葉をつまらせる明。
次の言葉を待ちます。
「満月と襲撃事件。あと…恐らくシャルドネも…全部、関係がありそうなんだ…」
面倒なことになった。
明は頭を抱えながら嘆くように呟きました。
私は詳しいことをまだ知りませんが、知っていかなければいけないようです。
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