吸血鬼くんの話、
満月ちゃんが起きる音がしたので、話はまた後日、行うことにしました。
ノックの音がし、満月ちゃんがドアの隙間から顔を覗かせました。
「二人とも…もう起きていたのか…。おはよう」
ふっと笑う満月ちゃんは私よりも大人びて見えます。
「おっはよー!今からご飯作るねー?なにがいい?」
返事をして、二人にリクエストを聞きました。
正確には、満月ちゃんだけのようですが。
「いつもの」
明があくびをしながら答えました。
「昨日のご飯が残ってる。それを食べないか?」
満月ちゃんはご飯が食べたいみたいです。
「おしっ!じゃー作るから待っててね?」
部屋を出ながら言いました。

「できたよー!……なにやってるの?」
朝御飯が準備でき、二人を呼びに行くと、お手玉を教えていました。
「いや…知りたいって言われたから…」
満月ちゃんはまだ二個で戸惑っていますが、明はぽんぽんといくつも投げています。
「なつかしーね。でも、ご飯食べるのが先!早くおいで!」
昔、二人で遊んでいたのを覚えている。
昔ながらの遊びが多かった。
「ひかり。明の言っていたいつものってなんだ?」
満月ちゃんが二人分の朝食しか見えない食卓を見て首をかしげる。
「ん?これだよー!」
私は一リットルの牛乳パックを差し出しました。
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