吸血鬼くんの話、

黒猫くんと魔女の目

満月と名付けられ、十数年がたった今、私には明と光という名の人間ではない人たちに、魔女であるシャルドネ様から引き離された。

最初は抵抗したものの、シャルドネ様が弱っていたことは気づいていたし、自分が連れて行く力の強い人間だけでは間に合わなかったのも分かっていた。

潮時、だったのだろうな。

いつまでもシャルドネ様に甘えてはいけないのだろう。

自分の力だけではシャルドネ様の結界は破れない。

だから、正直明がきてくれて助かった、と言ってもいいぐらいかもしれない。

いま、二人は何かやらなくてはいけないことがあるようだ。

私では、力になることはできないのだろうか。