吸血鬼くんの話、
暗い夜道には人ならざる者が現れる。
そうだろうなと、思っていた。
シャルドネ様の元にいたころ、尋ね人はいつも夜にしか現れなかった。
今、私は夜道を歩いている。明たちには心配されたがそうでもしないとあいつには会えない。
「やあやあ、お久しぶりだねぇ!魔女の仕え魔くん」
少女の声。振り替えるとそこには、少女が立っていた。赤いランドセルを背負い、紺色のスカート、ソックスを穿き、見た目だけは小学生のようだと、人は言うだろう。
夜にしか現れない、影の者。
「あぁ、久しいな、影の者。お前に聞きたいことがあるんだよ」
人間の姿に戻った今、影の者と同じぐらいの背のようだ。
大きいと思っていたものと、同じぐらいの背になるのはずいぶんと嬉しいもののようだ。
「そんな他人行儀な呼び名は嫌いだなぁ。まあいいけど。ねえ、用件は?あたしを呼ぶのなら、用事があるのでしょう?」
幼子二人だけだと不審に思う人もいるだろう。用件は早めに済まそう。
「あぁ、そうだ。お前なら、知っていると思ってな」
ふんふんと、オーバーなリアクションをされる。
「ええ、知っているわ。でも、あなたが何を聞きたいのかは知らないわ」
そう言って、ランドセルを背から下ろす。
中には、分厚い本が入っていた。
「ここ最近、発生している失踪事件があるだろう。その詳細が知りたい。主人を、守りたい」
そうだろうなと、思っていた。
シャルドネ様の元にいたころ、尋ね人はいつも夜にしか現れなかった。
今、私は夜道を歩いている。明たちには心配されたがそうでもしないとあいつには会えない。
「やあやあ、お久しぶりだねぇ!魔女の仕え魔くん」
少女の声。振り替えるとそこには、少女が立っていた。赤いランドセルを背負い、紺色のスカート、ソックスを穿き、見た目だけは小学生のようだと、人は言うだろう。
夜にしか現れない、影の者。
「あぁ、久しいな、影の者。お前に聞きたいことがあるんだよ」
人間の姿に戻った今、影の者と同じぐらいの背のようだ。
大きいと思っていたものと、同じぐらいの背になるのはずいぶんと嬉しいもののようだ。
「そんな他人行儀な呼び名は嫌いだなぁ。まあいいけど。ねえ、用件は?あたしを呼ぶのなら、用事があるのでしょう?」
幼子二人だけだと不審に思う人もいるだろう。用件は早めに済まそう。
「あぁ、そうだ。お前なら、知っていると思ってな」
ふんふんと、オーバーなリアクションをされる。
「ええ、知っているわ。でも、あなたが何を聞きたいのかは知らないわ」
そう言って、ランドセルを背から下ろす。
中には、分厚い本が入っていた。
「ここ最近、発生している失踪事件があるだろう。その詳細が知りたい。主人を、守りたい」