吸血鬼くんの話、
階段を降りて、満月を探す。
満月は玄関でボーと扉をみていた。
「小僧…私は、シャルドネ様の役に立っているものだとばかり思っていたようだ……。シャルドネ様に拒絶されるのが、こんなに苦しいとは思わなかった」
振り返らずに、話す。
まるで、泣いてる顔を見せないように。
「満月。お前は役に立っていたんじゃないか?お前がいたから俺がここにいて、シャルドネに話すことができた。お前がいなければ、シャルドネは一人で死ぬことを選んでいただろ…」
俺が言っても満月は振り返らない。
「私は…シャルドネ様の魔法で、猫に…仕え魔になった。魔力をもち、人を惑わすことが出来るようになった。シャルドネ様の傍を…離れたくない…」
シャルドネへの愛は分かった。
でも、彼女が満月の解放を望んでいる。
「じゃあ、俺のところに来いよ」
俺の提案に、満月は振り返った。
白い肌の目元は赤く腫れていた。
「なぜ小僧のところにいかねばならんのだ。私はシャルドネ様の仕え魔だ。吸血鬼ごときが…」
怒りが、目に見える。
話しても無駄な気がして
「ただの人間よりはましだろ?ほら、お前に合う服はないのか?」
満月を抱え、家の中を捜索する。
「リビングに服をまとめてあるが…ふざけたものしかないぞ」
嗚咽混じりの話し声。
満月は、本当の猫のような軽さだった。
満月は玄関でボーと扉をみていた。
「小僧…私は、シャルドネ様の役に立っているものだとばかり思っていたようだ……。シャルドネ様に拒絶されるのが、こんなに苦しいとは思わなかった」
振り返らずに、話す。
まるで、泣いてる顔を見せないように。
「満月。お前は役に立っていたんじゃないか?お前がいたから俺がここにいて、シャルドネに話すことができた。お前がいなければ、シャルドネは一人で死ぬことを選んでいただろ…」
俺が言っても満月は振り返らない。
「私は…シャルドネ様の魔法で、猫に…仕え魔になった。魔力をもち、人を惑わすことが出来るようになった。シャルドネ様の傍を…離れたくない…」
シャルドネへの愛は分かった。
でも、彼女が満月の解放を望んでいる。
「じゃあ、俺のところに来いよ」
俺の提案に、満月は振り返った。
白い肌の目元は赤く腫れていた。
「なぜ小僧のところにいかねばならんのだ。私はシャルドネ様の仕え魔だ。吸血鬼ごときが…」
怒りが、目に見える。
話しても無駄な気がして
「ただの人間よりはましだろ?ほら、お前に合う服はないのか?」
満月を抱え、家の中を捜索する。
「リビングに服をまとめてあるが…ふざけたものしかないぞ」
嗚咽混じりの話し声。
満月は、本当の猫のような軽さだった。