俺、共犯者と秘密共有中。
 その後やっとの思いで、俺も聖也も、大学に合格することが出来た。


 思わずテンションが上がって、俺は美咲ちゃんに電話をかけた。


「美咲ちゃん!俺大学受かった!!あ、……聖也も!」

「え!?うそ!ほんとに!?おめでとう、春から一緒だね!」


 電話の向こうだったけれど、美咲ちゃんは本当に喜んでくれていた、……と思う。


 少し間を空けて、美咲ちゃんがあっ、と声をあげた。


「それじゃあ今度お祝いしよう!お食事にでも行こうよ。」


 俺が行きたいと叫ぼうとしたところで、美咲ちゃんが続ける。


「あ、聖也くん、……も。」


 吸ったまま止まっていた息を、少し吐き出して、俺は力なく返事をした。


「はい……。じゃあ、聖也には俺から伝えておきますね。」


 内心デートじゃないのか、とがっかりしつつ、聖也には言わないでおこうかとも思ったが、バレると面倒なのでその旨をすぐに聖也に伝えると、電話の向こうで奇声をあげていた。


「フゥー、まじで?美咲さんと??」

「うん。そう。そのテンションうざいからやめて。」


 その反応に嫌な予感がして、俺は詳しくは追求しなかった。


 もしかして聖也も、……美咲ちゃんのことを。


 俺はもしそうだった場合のことを考えて、次会った時、聖也にもう美咲ちゃんのことが好きだと言うことに決めた。
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