俺、共犯者と秘密共有中。
 そして数日後、俺と聖也と美咲ちゃん、3人での食事会が開かれた。


 聖也のリクエストで、まあなんとも言い難いが、焼肉屋となった。


「まあ、まだ全員未成年だから、ジュースだけど、純平くんと聖也くんの合格を祝って、乾杯!」


 美咲ちゃんの言葉に、3つのグラスが当たって、カラン、という音が鳴った。



「いやー、やっと解放されたって感じです。」


 聖也がジュースを一口飲み、おじさんのようにぷは、と息を吐きながら言う。


「う〜ん、わかるわかる、わたしもそんな感じだった。

 よーし、わたしもいっつもバイトで見てるだけで、食べるのは久々だからいっぱい食べちゃおうかな。」


 そしてそうメニューを見つめる美咲ちゃんの姿に、俺は思い出し笑いをしてしまった。


 俺と美咲ちゃんが働く焼肉屋では、閉店後に年に2回ほど焼肉パーティーが開かれる。


 その時見た美咲ちゃんの姿が、俺の想像とは大きく違ったのだ。


「美咲ちゃん、ほっそいくせにめちゃめちゃ食べるよね。

 去年やった焼肉パーティで真っ先に焼けたお肉奪っていってた時はびっくりした。」


 俺の言葉に美咲ちゃんも色々思い出したのか、照れ臭そうに笑顔を浮かべる。


「だってあの時バイトの後で疲れてたし、お腹空いてたんだもん。店長に軽く文句言われちゃったけどね。」

「ああ、言ってた言ってた!」


 そう、俺が言ったところで、隣に座っていた聖也が、ゴトン、と空っぽになったコップを、少し大袈裟に置いた。


 やけに響いたそれが、俺たちの会話を止める。


 ……バイトの話はやめたほうがいいな。


 俺も思わず夢中になりすぎていたことを少し反省した。
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