年暮れの夜に
二回目のデコピンを受けて
おでこを押さえる
…すると
私の頭と腰に回っていた
大きな手が
私の両頬を
まるで壊れ物を扱うみたいに
優しく包み込んだ。
自然と絡まる視線に
私の頬に
熱が集まるのがわかる……
「…………弥生」
「……なに…?」
唐突に
私の名前を呼んだ彼の瞳が
…今まで見たこともないくらい
愛しそうに私を見つめて……
恥ずかしくて目を逸らす
……………けど、…
「…俺見ろ、ばか」