年暮れの夜に






ーーーーびっくりした…


……柊生が
そんなことを言うなんて

思いもしなかったから。




昔……高校の頃から、そうだった。



最初
出会ったばかりの頃の柊生は…


モテモテで、

放課後はいつだって
毎日違う女の子と歩いてて、

学校でだって
一人でいるとこなんて

見たことなくて、…



……なのに
どこか投げやりな気がしてた。


誰と付き合うにも束縛を一番嫌う。




………彼はそんな人だった。






ーーーーそんな彼が、今

世界中でたった一人
……私だけを見つめてる。


私を抱きしめて

私の髪や頬を撫でて…


私だけに
魔法の言葉を囁いてくれる。






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