年暮れの夜に
こんなに…
幸せなことって、ないよ。
大好きな人が
私の隣にいてくれる。
目を見て
幸せの魔法をかけてくれる。
「……弥生」
「…なに……?」
「…昼間のやつは、違うよ。
弥生以外の女と
二人で歩いたこと、軽率だった。
そいつの腕を
振り払えなかったことも。
だけど…
あいつは会社の同僚で
水森 葉南、っていうんだけど。
……これ、
選ぶのを
手伝ってもらってたんだ。」
そう言って
柊生があたしの手に乗せたのは
淡いピンク色のリボンがかかった
小さな箱だった。
ドキドキして
震える手でリボンを解く。
……小さな箱の中から
姿を現したそのプレゼントは
小さいながらも…
今、この世で
あたしの目に一番輝いて写った。