夏祭り
つまんない。
そう思って、
あちこちボタンを押してみる。
…。
……?
「…何もしかしてコレ、カチッてしたら開くん!?」
私のケータイには
ついてない機能を見つけて、
無駄にはしゃいでみる。
少しの間私の顔を見て、
君は吹き出した。
「せやけど? 渚 テンション上がりすぎやろー! 別にそれあんま要らんし。」
君は 笑う。
笑わせたかった私も、
嬉しくなって笑う。
半年の間に
少し髪型が変わった君。
でも、その声もその笑顔も
全然変わってない。
錯覚しそうになる。
誰から見ても カップルの二人。
去年なら、
なんのためらいもなく
つなげた手。
でも、
今は この微妙な距離が
もどかしくて仕方ない。