happy new me !
「できたよー!」
そう言って、後ろに手鏡を出した。
……!!!
鏡に映る自分は、数時間前とは別人だ。
顎まで切られた髪は、元のクセをいかしてふわっとしたボブになっている。
伸ばしっぱなしだった前髪も、目の上で流せるようになっていた。
「……すごい。自分じゃないみたい。」
私ってこんなだったんだ。
「いいでしょ?せっかく顔が小さいんだからさ、あんな風にもさっとした髪で隠してたらもったいないよ!
個人的にはもっと切りたかったんだけどね。女子力全開でって希望だったから、今日はこんな感じにしてみた!」
顔が小さい。
そうだ。私は自分の顔の中で唯一自信のあること言えば、顔が小さいことだけだった。もう、そんなことさえ忘れていた。
「……ありがとうございます!」
本当に美容師さんってすごい。
あれは本当に魔法のハサミ。魔法の手。
私は、その魔法にかかったシンデレラのような気分だった。