happy new me !


「で、どこから始めればいいですか?」

「どっからでも!まだどこも手をつけてないから!」

自信満々でそう言いきった。
は?

「…今、なんて?」

私は怒りオーラ全開で聞いた。
どこもやってないですと!?

「いやん!奈菜ちゃん怖い!
まだ、さっきは最後のお客様の髪を掃いてただけだから、大掃除はこれからなんだよね…。」

はぁ……。2人でも終わる気がしない。
仕方ない。文句を言っても時間が過ぎるだけだ。早く終わらせてしまおう。


「……とっとと始めましょう。」

「はい!」


私たちはさっそく掃除を始めた。
しかし、美容室というのは物が多い!
退かすのも、戻すのも一苦労。

そして、小野さんの掃除が雑。

「小野さん!ホコリ残ってますよ!せっかく新しい店内なんだから綺麗にしてくださいよ!」

「はい!すみません!
……奈菜ちゃん、姑みたい。」

ん?小声で何か聞こえた気がする。

「何か言いました?」

「言ってません!」

小野さんはピシッと敬礼をして、掃除を再開した。
だってこんなに素敵なお店、綺麗に保たないともったいないじゃん!

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