孤独女と王子様
『そのデモ販に、龍成社の社員の方が男女お1人ずついらっしゃってまして、そのうちの女性の方に、神戸が何かを吹き込んだみたいなんですよ』
「吹き込んだ、ですか」
僕は頂いたお茶のコップを両手で持つも、先の展開が知りたくて飲まずに店長の言葉を待った。
『女性の方は、神戸に何か言われた後になって様子が明らかにおかしくなり、顔色が悪く、元気がなくなり、笑顔も消えて、男性の方に聞いても"大丈夫です"の一点張りで。多分、店側の立場の私に、迷惑を掛けたくないからだと思うのですが』
店長はお茶をひと口飲んだ。
『私の記憶が正しければ、あの女性、神戸の高校の同級生だと思うんです。群馬の支店で神戸がバイトで、私が店長やっていた頃に、その店に来た神戸のたった1人の同級生の友達だと紹介されました。その子と龍成社の女性社員の方と、顔が同じです』
もしかして、前に由依ちゃんが話していた、テニス部時代の唯一の友達と、同一人物だろうか。
だとしたら、由依ちゃんは、まだその女性とは仲違いしたままのはずだ。
「吹き込んだ、ですか」
僕は頂いたお茶のコップを両手で持つも、先の展開が知りたくて飲まずに店長の言葉を待った。
『女性の方は、神戸に何か言われた後になって様子が明らかにおかしくなり、顔色が悪く、元気がなくなり、笑顔も消えて、男性の方に聞いても"大丈夫です"の一点張りで。多分、店側の立場の私に、迷惑を掛けたくないからだと思うのですが』
店長はお茶をひと口飲んだ。
『私の記憶が正しければ、あの女性、神戸の高校の同級生だと思うんです。群馬の支店で神戸がバイトで、私が店長やっていた頃に、その店に来た神戸のたった1人の同級生の友達だと紹介されました。その子と龍成社の女性社員の方と、顔が同じです』
もしかして、前に由依ちゃんが話していた、テニス部時代の唯一の友達と、同一人物だろうか。
だとしたら、由依ちゃんは、まだその女性とは仲違いしたままのはずだ。