孤独女と王子様
イケメンさん…いや、成瀬川さんはそう言って寂しそうな顔をして私を見る。
すると、店内のスピーカーから閉店の音楽とアナウンスが流れてきた。
「あ、いけない。レジを閉めてる途中だった」
と、慌てて画面を見つめた。
そんな私を見て、成瀬川さんは手帳に何かを書いている様子。
『お仕事の邪魔をして申し訳ありません。終わってからで結構です。こちらでお待ちしています』
そう言うと私にメモを渡し、成瀬川さんは階段を降りて立ち去った。
メモには【soulager(スラジェ)】という店の名前と住所、あと成瀬川さんの携帯の番号が記されている。
綺麗な字だなぁ。
…いやいや、そこで感心しちゃダメダメ。
"成瀬川の名前が鬱陶しい"かぁ。
私みたいな庶民が、成瀬川家のお坊ちゃんと関わるなんて、おこがましい。
でも、その"鬱陶しい"と言った時の寂しそうな顔と、名刺を出すのを躊躇した態度は、嘘をついているように思えない。
私は、どうせ1人で夜食を食べるなら、せっかくならイケメンさんと、なんて軽い気持ちで…一応熟考はしたとして、メモのお店に行ってみることにした。
すると、店内のスピーカーから閉店の音楽とアナウンスが流れてきた。
「あ、いけない。レジを閉めてる途中だった」
と、慌てて画面を見つめた。
そんな私を見て、成瀬川さんは手帳に何かを書いている様子。
『お仕事の邪魔をして申し訳ありません。終わってからで結構です。こちらでお待ちしています』
そう言うと私にメモを渡し、成瀬川さんは階段を降りて立ち去った。
メモには【soulager(スラジェ)】という店の名前と住所、あと成瀬川さんの携帯の番号が記されている。
綺麗な字だなぁ。
…いやいや、そこで感心しちゃダメダメ。
"成瀬川の名前が鬱陶しい"かぁ。
私みたいな庶民が、成瀬川家のお坊ちゃんと関わるなんて、おこがましい。
でも、その"鬱陶しい"と言った時の寂しそうな顔と、名刺を出すのを躊躇した態度は、嘘をついているように思えない。
私は、どうせ1人で夜食を食べるなら、せっかくならイケメンさんと、なんて軽い気持ちで…一応熟考はしたとして、メモのお店に行ってみることにした。