孤独女と王子様
『通常、書店を営業で回るのは龍成社の場合は販売促進局の方がいらっしゃるのですが、今日は各地で大きなデモ販を行っているので、営業局の方も応援で参加するのです。私は、龍成社の社員として高松さんにお会いするのは初めてでしたが、向こうは私のことを覚えていらっしゃらなかったようです。まぁ、お会いしたのも1回きりでしたし、私の髪の色もその間にすっかり変わってしまいましたので、無理もありませんが』
そう言って店長は小さく笑った。
営業局・・・確か、ケン兄さんが局長をやっている部署だ。
「あの、由依ちゃんをレジ番にするように頼んだ龍成社の男性社員とは、誰ですか?」
『同じ営業局の、桐生さんという社員の方です。桐生さんは、イベントでよくお世話になっていて、私も神戸も顔馴染みなんです。"僕が行けない代わりに後輩を送り込むので、よろしくお願いします"と言う表現があまりに自然だったので、私もそこに桐生さんが意図したものを全く感じていなかったのですが』
そう言って店長は小さく笑った。
営業局・・・確か、ケン兄さんが局長をやっている部署だ。
「あの、由依ちゃんをレジ番にするように頼んだ龍成社の男性社員とは、誰ですか?」
『同じ営業局の、桐生さんという社員の方です。桐生さんは、イベントでよくお世話になっていて、私も神戸も顔馴染みなんです。"僕が行けない代わりに後輩を送り込むので、よろしくお願いします"と言う表現があまりに自然だったので、私もそこに桐生さんが意図したものを全く感じていなかったのですが』