孤独女と王子様
★心の闇が晴れた君~side GOU~
土曜日。
2組の婚礼のキャプテンを勤めた後、21時過ぎにホテルの地下駐車場に停めてあった自分の車に乗り込んで、ケン兄さんから聞いた群馬県の由依ちゃんのお母さんが営んでいる小料理屋へ向かった。
高速は空いている。
この分なら23時過ぎには現地に着くだろう。
由依ちゃん、遥香ちゃんとうまく行ったかな。
ケン兄さんの予定通りなら、実父である鍬形舟さんとの対面を果たせたはず。
そちらも、うまく和解できていればいいな。
期待と不安が入り交じりながらの道中だった。
ケン兄さんの指示で、由依ちゃんには一切僕が駆け付けることを言っていない。
驚くだろうな、由依ちゃん。
近くのパーキングに車を停めて、繁華街を歩く。
夜の街とはいえ、地方都市は閉店が早いのか、この時間になると人が少なくなるのだろうか、少々寂しさを覚える。
到着したのは"小料理屋 りつ"。
小さな入口だ。
ケン兄さんの指示により、先に到着した旨のメールをした。
すると、
―"こちらは終了しているから、いつでもどうぞ。舟さんが待ってるよ"―
と返ってきた。
中にいるメンバーの顔触れを思うと緊張する。
でも、前に進まなければ。
思い切って引戸をスライドさせた。
2組の婚礼のキャプテンを勤めた後、21時過ぎにホテルの地下駐車場に停めてあった自分の車に乗り込んで、ケン兄さんから聞いた群馬県の由依ちゃんのお母さんが営んでいる小料理屋へ向かった。
高速は空いている。
この分なら23時過ぎには現地に着くだろう。
由依ちゃん、遥香ちゃんとうまく行ったかな。
ケン兄さんの予定通りなら、実父である鍬形舟さんとの対面を果たせたはず。
そちらも、うまく和解できていればいいな。
期待と不安が入り交じりながらの道中だった。
ケン兄さんの指示で、由依ちゃんには一切僕が駆け付けることを言っていない。
驚くだろうな、由依ちゃん。
近くのパーキングに車を停めて、繁華街を歩く。
夜の街とはいえ、地方都市は閉店が早いのか、この時間になると人が少なくなるのだろうか、少々寂しさを覚える。
到着したのは"小料理屋 りつ"。
小さな入口だ。
ケン兄さんの指示により、先に到着した旨のメールをした。
すると、
―"こちらは終了しているから、いつでもどうぞ。舟さんが待ってるよ"―
と返ってきた。
中にいるメンバーの顔触れを思うと緊張する。
でも、前に進まなければ。
思い切って引戸をスライドさせた。