孤独女と王子様
『ちなみにさ』
「ん?」
『病弱だった奥さん、3年前に亡くなっているよ。そして、舟さんのお父さんである鍬形コンツェルンの前会長も、昨年亡くなっている。だから舟さんもこうして、由依ちゃんに父親として名乗り出ることができたんじゃないのかな』
そう言うと、剛さんは"フフ"と笑って、
『まぁ、由依ちゃんが舟さんの娘であろうがなかろうが、僕は由依ちゃんを愛していることに変わりはないから』
「もう、よくそんなストレートに言えるね」
『これからは"大好き"じゃなくて"愛してる"って言い続けるから』
剛さんは自分の左手で私の右手を握った。
『もうこの手、離さないよ。今度の休みは"デート"しようね』
「うん」
あれから私をアパートまで送り届けてくれた。
私は部屋で1人、この土日の出来事を振り返り、人の温かさが身に染みた時間であったこと、そして親友を卒業した剛さんとのことに想いを馳せ、満ち足りた気分になった。
「ん?」
『病弱だった奥さん、3年前に亡くなっているよ。そして、舟さんのお父さんである鍬形コンツェルンの前会長も、昨年亡くなっている。だから舟さんもこうして、由依ちゃんに父親として名乗り出ることができたんじゃないのかな』
そう言うと、剛さんは"フフ"と笑って、
『まぁ、由依ちゃんが舟さんの娘であろうがなかろうが、僕は由依ちゃんを愛していることに変わりはないから』
「もう、よくそんなストレートに言えるね」
『これからは"大好き"じゃなくて"愛してる"って言い続けるから』
剛さんは自分の左手で私の右手を握った。
『もうこの手、離さないよ。今度の休みは"デート"しようね』
「うん」
あれから私をアパートまで送り届けてくれた。
私は部屋で1人、この土日の出来事を振り返り、人の温かさが身に染みた時間であったこと、そして親友を卒業した剛さんとのことに想いを馳せ、満ち足りた気分になった。