孤独女と王子様

★僕の生涯愛する人～side GOU～

群馬で由依ちゃんと一線を越えた後は、互いに遠慮するものがなくなったのか、水曜日にこだわることがなくなり、僕は由依ちゃんのアパートにすっかり居候状態。

僕は実家暮らしであんな家に由依ちゃんを招くにはまだハードルが高いし、そもそも由依ちゃんのアパートからの方が仕事場に近い。

でも最大の目的は、毎日由依ちゃんに"愛してる"と肉声で目を合わせて伝え続けること。
そこにはもちろん、体の繋がりもあるけれども。

ある日、婚礼の引き継ぎをプランナーの宇梶さんから受けていた時のこと。

ひととおりの打ち合わせが終わり、立ち上がると、

『成瀬川さん、今日こそ、お時間ありませんか？』
「時間？宇梶さんのために取る時間ですか？」
『そうですよ。私のために時間を作っていただけませんか？』
「ごめんなさい。それは出来ないですね」

宇梶さんからは、事あるごとに食事に行かないかと誘われていた。

僕はそんなに鈍感ではない。
宇梶さんが僕を誘う目的は理解しているつもりだ。