孤独女と王子様
『剛さんのお仕事しているところ見られるの?やったぁ!』
「由依ちゃんもそれを期待してこの招待状を僕に見せたんでしょ?」
『あ、やっぱりバレた?』

"アハハハ"と笑ったあと、まだご飯を食べ終わっていないのに、僕は由依ちゃんにキスをした。

『ちょ、ちょっとぉ』
「だっておねだりしているような顔だったんだもん」
『ちゃんと、後でおねだりするもん』

そう言って由依ちゃんはキッチンで後片付けを始めた。
僕も急いで食事を済ませ、食器を拭いて、棚にしまう役目をこなす。

片付けが終わり、夜の歯磨きをしてもう寝るだけの体制になると…

さっき、由依ちゃんが"後で"と言っていたおねだりの時間になる。

おねだりと言うよりは、由依ちゃんの"甘えん坊タイム"と言うべきかな。

とにかく、僕がさっきまでごはんを食べていたところにあぐらをかいて、由依ちゃんがその上に僕と向かい合わせで抱き付く。
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