孤独女と王子様
まるで子供でもあやすみたいな格好だけど、由依ちゃんと泊まる時は毎回恒例になって、しばらく抱っこしたまま語らう。

始まりは由依ちゃんが仕事でちょっとした失敗をしたと落ち込んでいた時、

"由依、おいで"と僕が慰めてあげようとしてやったこと。
その後は習慣のように由依ちゃんが別に落ち込んでなくてもするようになった。

僕の胸に体を預けてべったり引っ付く由依ちゃん。

『私、結婚式に出るの初めてで、何を着て行けばいいのかわからないの』
「遥香ちゃんには聞いてみたの?」
『ううん。剛さんなら、たくさんの綺麗な列席者と衣装を見てるだろうから、剛さんに聞こうと決めてたの』

そんな僕を頼ってくれる由依ちゃんが可愛くて、頭を撫でる僕。

「じゃぁ、僕が見立るよ。任せてよ。由依ちゃんに一番似合うコーディネートを考えてくるから」
『やったぁ』

由依ちゃんは僕の顔を見つめて喜んだ。

その顔が可愛くて、僕は再び由依ちゃんをギュっと抱き締め、由依ちゃんの肩に自分の顎を乗せた。
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