孤独女と王子様
月曜日には、由依ちゃんが列席する式の担当が正式に僕ということが決まり、由依ちゃんは"すごく楽しみ"と言ってくれた。

週末の金曜日に急いで作ってくれた由依ちゃん用のワンピースをピックアップして、由依ちゃんに着せた。

サイズをメジャーで測ったわけでもないのに由依ちゃんにピッタリ。

『私のサイズ、何で分かったの?』

不思議そうな顔をして由依ちゃんは僕に聞く。

「この1ヶ月で、どれだけ僕は由依ちゃんを抱いたと思っているの?」

1ヶ月はそんなに長い期間ではない。
でも週の半分は抱き合い、1度では済まないことを考えると、その点に関してはかなり濃い付き合い方だと思う。

他のカップルと比べたことはないけどね。

『もぅ、剛さんのエッチぃ』

そう言いながら、姿見でワンピースを着た自分を見る由依ちゃん。

「似合ってるよ、凄く」

僕は由依ちゃんの喜んだ顔を見て、満足だった。

『剛さん、この服の代金はいくら?』

姿見からくるっと反転させて僕に聞く由依ちゃん。

そう言えば、いくらだろう?
値段は聞いていない。
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