孤独女と王子様
『昨日の控室での成瀬川さんの表情は、とても慈愛に満ちていました。そうですよね。女の私から見ても彼女は魅力的です。見た目は美しいし、準備だってテキパキこなしてくれた。普通、列席者だったらいくらチューナーに使い慣れた仕事をしているからって手伝わないでしょ?けど"重そうだから手伝わせて"と言われてしまって・・・つくづく自分の社会人としてのスキルのなさを痛感しました』
宇梶さんはそう言って会議室の1つの椅子に腰かけた。
「1年半ですよ」
『え?』
「彼女と付き合えるようになるまで、告白してから1年半かかりました」
『そんなに・・・』
机が"ロ"の字になっている会議室の、宇梶さんから1つ椅子を開けた席に僕は座った。
『それなら、尚更彼女を大事にされているんですね』
「彼女は宇梶さんと違って、"僕"を見てくれました。1年半かけて。そこでやっと僕と言う人間に"合格"が貰えたんです」
『私だって、成瀬川さんを見ていたつもりです。でも、レモンイエローの方と・・・』
「"由依"って言います」
宇梶さんはそう言って会議室の1つの椅子に腰かけた。
「1年半ですよ」
『え?』
「彼女と付き合えるようになるまで、告白してから1年半かかりました」
『そんなに・・・』
机が"ロ"の字になっている会議室の、宇梶さんから1つ椅子を開けた席に僕は座った。
『それなら、尚更彼女を大事にされているんですね』
「彼女は宇梶さんと違って、"僕"を見てくれました。1年半かけて。そこでやっと僕と言う人間に"合格"が貰えたんです」
『私だって、成瀬川さんを見ていたつもりです。でも、レモンイエローの方と・・・』
「"由依"って言います」