孤独女と王子様
金澤さんにセンスがない？
確か、営業局ではエースと呼ばれるキャリアウーマンなはずなんだけど・・・

「センスは、私の方がないですよ。金澤さんこそエースじゃないですか」
『それは会社での話でしょ？神戸さん』
「確かに、桐生さんから聞いた話ですから」

金澤さんのお母さんが作ったキッシュをいただく私。
生クリームとチーズが濃厚で、すごく美味しい。

『この家の裏が、うちの実家でね。休日の夕食はよく一緒にごはん食べたり、どこかに出掛けたりしているの』

金澤さんが、さっき健吾さんが格闘していた唐揚げを頬張った。

すると、今日は割と聞き役になっていた剛さんが、ようやく話に参加した。

『ケン兄さんは、成瀬川家の人間なのに、ほとんど金澤のおうちの入り婿状態なんだよね』

剛さんは健吾さんに向かってニコニコしながら言う。
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