孤独女と王子様
『剛先輩、私を"金澤"と呼ぶのは、いい加減やめてもらえます？私が義理の姉になって何年経つと思っているんですかぁ？』

それを聞いた私は"どっちもどっちだ"と思ったけどね。

『あ、そうだ。どうやって知り合ったの、ふたりは』

金澤さんがそう言うので、私はこれまでのことを全部話した。

『へぇ。その1年半も、恋人期間にカウントして全然いいんじゃない？』
『うん。楽しかったし、その期間も』

剛さんは遠くを見るように振り返っていた。

『パパぁ、マリ、ゆぃちゃんとあそびたい』

結構お腹いっぱいになってきた。
ちょうどいいかも。

「マリちゃん、何して遊ぶ？」
『おにんぎょうさんごっこ』

そう言って、マリちゃんは走って道具箱を取ってきて、リビングの空いているスペースにそれをひっくり返した。

中からは、お人形さんと、着せ替えの服がいっぱい。

私も女の子。
こういう遊びは嫌いじゃない。

マリちゃんの楽しそうに人形や私を見つめる楽しそうな顔を見ながら、私も楽しんでいた。

けど、ダイニングでの大人の会話を聞いていることも、忘れなかった。
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