孤独女と王子様
『神戸さんを見つめる目が違うよね』

そう言うレナっちは、キッチンで後片付けの最中。

すると、ケン兄さんが僕に近付いて、

『あれは脱いだら凄いタイプだね。ナイスバディだろ』

と、僕に耳打ちしてきた。

「え？」
『シー！』

ケン兄さんは自分の唇に人差し指を当てた。

さすが、"男"としての経験値が高い人は違う。
この兄になら、"週の半分は由依ちゃんを抱き倒してます"と言っても引かないだろうか。

まぁ、今後も由依ちゃんはケン兄さんと仕事するだろうから言わないけど。

テーブルの上にはコーヒーとお茶菓子が置かれた。

『神戸さん・・・じゃないな、由依ちゃ～ん、コーヒー入ったからこっちに来て飲みなよ』
『私はもう少し、マリちゃんと遊んでます。飽きるまでここにいますよ』
『ごめんねぇ』

レナっちも着席し、ダイニングでは大人3人が座っている状態。
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