孤独女と王子様
大学生活は、柳井くんにとって由依ちゃんとの"あの出来事"の禊(みそぎ)の期間だったのかもしれない。
モテはしたが、彼女を作ることもなく、ひたすら大学の勉強と資格取得、それにバイトに励む毎日だったそうだ。
「そして、由依ちゃんにいざ会ってみたら、僕という"彼氏"がいたから、彼としてはショックだったろうな」
僕は由依ちゃんの手を引き、リビングのソファーに座らせた。
「柳井くんは、多分、簡単には由依ちゃんを諦められないと思う。僕は彼の気持ちが良く分かるから」
『うん』
「そして、あのアパートに由依ちゃんが住んでいることを、彼に知られているんだ。いつまた、彼が突然訪問してくるか分からない。僕も毎日アパートに行ければいいんだけど、父親の手前、まだ完全に一緒に住むことが出来ないんだ」
隣に座る由依ちゃんは、僕の方に体を向けた。
モテはしたが、彼女を作ることもなく、ひたすら大学の勉強と資格取得、それにバイトに励む毎日だったそうだ。
「そして、由依ちゃんにいざ会ってみたら、僕という"彼氏"がいたから、彼としてはショックだったろうな」
僕は由依ちゃんの手を引き、リビングのソファーに座らせた。
「柳井くんは、多分、簡単には由依ちゃんを諦められないと思う。僕は彼の気持ちが良く分かるから」
『うん』
「そして、あのアパートに由依ちゃんが住んでいることを、彼に知られているんだ。いつまた、彼が突然訪問してくるか分からない。僕も毎日アパートに行ければいいんだけど、父親の手前、まだ完全に一緒に住むことが出来ないんだ」
隣に座る由依ちゃんは、僕の方に体を向けた。