孤独女と王子様
「木塚駅が最寄りのマンションだよ」
『そうなの?泰河のマンションはその隣の晴町(ハレマチ)駅だよ』
都心にある会社から数えたら晴町駅の方が手前だ。
『由依、結構いいところに住んでいるのね』
「桐生さんこそ、いいところじゃない?」
疲れる。
遥香に話せないことだらけなのは、正直辛い。
せめて、剛さんとのことまでは、話すべきなのかも。
今度、剛さんに相談してみよう。
翌日の金曜日。
私は本店の隣のテナントビルの2階から6階までのわかば堂書店本部の2階で働いている。
1階には受付用の電話が置かれており、それを使って来客者は用事のある部署の内線を鳴らすことになっている。
午後になって、その受付の電話が鳴った。
私がいる営業本部の誰かに用事があるんだろう。
元々、来客が多い部署なので珍しいことではない。
そんな軽い気持ちで電話に出た。
『そうなの?泰河のマンションはその隣の晴町(ハレマチ)駅だよ』
都心にある会社から数えたら晴町駅の方が手前だ。
『由依、結構いいところに住んでいるのね』
「桐生さんこそ、いいところじゃない?」
疲れる。
遥香に話せないことだらけなのは、正直辛い。
せめて、剛さんとのことまでは、話すべきなのかも。
今度、剛さんに相談してみよう。
翌日の金曜日。
私は本店の隣のテナントビルの2階から6階までのわかば堂書店本部の2階で働いている。
1階には受付用の電話が置かれており、それを使って来客者は用事のある部署の内線を鳴らすことになっている。
午後になって、その受付の電話が鳴った。
私がいる営業本部の誰かに用事があるんだろう。
元々、来客が多い部署なので珍しいことではない。
そんな軽い気持ちで電話に出た。