孤独女と王子様
目の前には間違いなく由依ちゃんのお母さんの律子さん。
群馬で会った時は着物だったけど、今日はブラウスにフレアスカートを履いている清楚な奥様という印象。

タイミングのいいところで、由依ちゃんと2人で群馬に行って挨拶しようかと思っていた。

そんなお母さんが、何故ここに？

お母さんはダイニングで僕達が座る向かいの位置に座った。

『剛さん、先日はありがとうございました。由依、ちょっと太った？』
『ちょっと、それって久しぶりに会った娘に言う言葉？』
「やめてくださいお母さん。由依ちゃんは少し太ったくらいがちょうどいいんですから」

由依ちゃんがお母さんの言葉を気にしてダイエットされちゃ、たまったもんじゃない。
少し太らせたいと僕は常に思っているから。

『何故、ここに律子がいるのかを説明するよ』

そんな僕達の会話を聞いた舟さんが、話を切り出した。

『まず、結論から言う。俺、律子と再婚しようかと思っている』
「え？」

とりあえず、2人で驚いてはみたけど、そんなに声を出す程驚くようなことでは実はない。
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