孤独女と王子様
★形と心のプレゼント~side GOU~
7月23日の午前9時。

区役所の窓口で僕達は手続きをした。

『"鍬形"の名前は18日間だけだったね』

と、由依ちゃんは苦笑い。

「これからは僕の奥さんだよ、由依ちゃん。よろしくね」

区役所の外にある広場のベンチに座った僕達。

「ちょっとシチュエーションとしてはあまり良くないんだけど」

と、僕はポケットに忍ばせていた小箱を由依ちゃんの前に出した。

「出来たのが昨日だったから、仕方ないよね」

と、僕は箱を開けた。

由依ちゃんへのプレゼント。

「由依ちゃんをイメージしてデザイン案を出して、ジュエリーデザイナーやってる友達に作らせたんだ」

由依ちゃんの名前には自由の"由"の字が入っている。

僕の自由に対する色のイメージは白だけど、白の宝石と言えば何となくダイヤモンド。
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