孤独女と王子様
「僕の話、まだしていないの?」
『うん・・・だって、恥ずかしいんだもん』
「今度、話そうね。僕が一緒に行ってもいいからさ。由依ちゃんの一番の友達には、ちゃんと話さなきゃね」
『うん』

腕の力が弱まったところで、僕は由依ちゃんの体を離して、起こした。
そうすることで、顔が見える。

「由依は、今日から僕の奥さんだ」
『うん』

素直に頷く由依ちゃん。

「僕の友達が相手でも、笑顔で会話するだけで僕は嫉妬する。それくらい、由依が大好き」
『だって、冷たく相手をしたら、剛さんの評判が悪くなるよ。だって、私は剛さんの奥さんだから』
「それもそうだね。ヤキモチは、心の中だけにしておくよ。でもさ・・・」

僕は由依ちゃんにキスをした。

「そんなヤキモチで心がモヤモヤした時、由依を優しくできる自信がないんだ」

僕はただただ、由依ちゃんを愛する男。

「しかも、今日は入籍した初日の夜。つまり"新婚初夜"だね」
『ちょっと、明日は朝早いんだよ』

由依ちゃんがちょっと慌てた。
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