孤独女と王子様
明日は、舟さん、律子さん、啓慈と一緒にキャンプに行くので出発が朝早い。
それでも僕は、今夜を大事にしたいと思った。

「由依を無理させたくないけど、初夜は今日しかないんだよ」

そう言うと僕は、由依ちゃんを抱きあげて寝室に入った。

自分の妻としての由依ちゃんは、変わらないはずなのに、昨日よりさらに愛しい。
そう強く思って、体を繋げた。

『んんっ・・・』

いつもと違うことに、由依ちゃんは気付いているかな。

僕はどうしても、そのままの由依ちゃんを感じたかったから・・・

でも、初めて味わうあまりに極上の感覚に、僕が終わってしまいそう。

一緒に昇りつめたい。
だから、一旦体を離して、準備をしようと思った。

ところが・・・

『何で離れようとするの?』

両足を僕の腰に巻き付けて、腕も使って僕の体ごと引き寄せた由依ちゃん。

『嫌だ。離れたくない』
「由依ちゃん、分かってる?今、僕達は・・・」
『分かってる』

由依ちゃんは目は潤んでいながらも、表情そのものは真剣だ。
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