孤独女と王子様
『お願い、そのまま続けて』
「由依?いいのか?」
『剛さんの全部が欲しいの。だから、お願い・・・』

由依ちゃんはそう言うと、僕の後頭部を引き寄せてキスをした。

「分かった。この先、何があっても僕達は力を合わせて頑張ろう」
『うん、お願いします、旦那様』

"旦那様"と呼ぶ由依ちゃんが猛烈に可愛くて・・・そのまま、続けた。

由依ちゃんのお願いがあったからじゃない。
僕だって同じ気持ちだった。

「由依・・・僕・・・もう・・・」

僕はもう限界だった。

『私も・・・だから、いっぱい頂戴・・・剛さんの・・・』

由依ちゃんは快楽の波に飲まれ、泣きじゃくっていた。

「愛してる、愛してるよ・・・由依・・・」
『私も・・・だから欲しいの、お願い・・・愛してるの・・・んんっ』

2人で同時に昇りつめた。

そのまま、由依ちゃんは寝てしまった。
今まで何度も体を重ねたはずなのに、すぐに寝てしまったのは初めてだ。

寝顔さえも可愛いと思う僕は、たまらずキスをし、その身体を抱きしめて眠りについた。
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