孤独女と王子様
★最高の贈り物~side GOU~
残暑も過ぎた9月。
由依ちゃんから、"来週木曜日の夜、空けておいてもらえない?"とお願いされた。
遥香ちゃんとその彼氏である桐生くんとテニスをしたいそうだ。
由依ちゃんはまだ、僕らが結婚したことはおろか、付き合っていることそのものを遥香ちゃんたちに話していないらしい。
由依ちゃんが照れ屋なのと、ケン兄さんたちの秘密をバラしてしまいそうで僕を紹介できないでいた。
「いい加減、言わないと逆に怒られそうじゃない?水臭いって」
『だから"彼氏はいる"って話したよ』
「その指輪の存在はどう説明したの?」
僕がデザインして、蒼に作らせた"婚約"指輪。
サイズ直しが終わり、今は由依ちゃんの左手薬指に収まっている。
『テニスの時は外しちゃうし、ごはん食べる時もそのままだから…』
「見せてないの?」
『うん…でも会社の人はみんな知ってるよ。素敵なリングだって言ってくれてるもん』
僕は由依ちゃんが語尾に使う"もん"に弱い。
どうしようもなく可愛がりたくなる。
由依ちゃんから、"来週木曜日の夜、空けておいてもらえない?"とお願いされた。
遥香ちゃんとその彼氏である桐生くんとテニスをしたいそうだ。
由依ちゃんはまだ、僕らが結婚したことはおろか、付き合っていることそのものを遥香ちゃんたちに話していないらしい。
由依ちゃんが照れ屋なのと、ケン兄さんたちの秘密をバラしてしまいそうで僕を紹介できないでいた。
「いい加減、言わないと逆に怒られそうじゃない?水臭いって」
『だから"彼氏はいる"って話したよ』
「その指輪の存在はどう説明したの?」
僕がデザインして、蒼に作らせた"婚約"指輪。
サイズ直しが終わり、今は由依ちゃんの左手薬指に収まっている。
『テニスの時は外しちゃうし、ごはん食べる時もそのままだから…』
「見せてないの?」
『うん…でも会社の人はみんな知ってるよ。素敵なリングだって言ってくれてるもん』
僕は由依ちゃんが語尾に使う"もん"に弱い。
どうしようもなく可愛がりたくなる。