孤独女と王子様
けど、今日はその遠慮はいらない。

『母さん、気を遣ったのかも』
「ん?」
『僕達がこうする機会がないから、その時間と空間を、作ってくれたのかもなって』

剛さんは、何も身に着けていない私の体のラインを撫でながら、推測する。

「私の体、崩れっちゃったよね」

剛さんは撫でてくれるけど、私は出産前と今とでは確実に体型が変わった。

骨盤が広がってしまったらしく、それまで着ていたパンツやスカートは、全てウエストがキツくて履けなくなってしまった。

お腹は大分へこんだけど、ちょっと皮が余っているような線が残る。
妊娠中に"妊娠線"対策は施したつもりだけど、それでも完全ではなかった。

あと、胸は・・・私は以前から大きい方で、今回の妊娠でさらに膨らんだ。

今は咲良を母乳で育てているので、今日、泊まるにあたって、あらかじめ絞ってパック詰めにしておいた。

こうしている間にも・・・自分の意思に関係なく、自然と母乳が出てきてしまう。
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