孤独女と王子様
さらにその次の週は、鍬形邸に行ってお母さんたちに会ってきた。

生まれた女の子は愛依(アイ)ちゃんと名付けられた。

『由依は"自由に依る"。愛依は"愛に依る"。どんなことがあっても、自分の愛は貫いて欲しいと願ってね』

傍らで眠る愛依ちゃんと咲良。

『赤ちゃんが2人で眠るって、ホント奇跡的に可愛いね』

剛さんはいつまでもそう言って2人の寝顔を眺めていた。

夕方、お父さんが帰ってきて、さらに賑やかになった。

『剛兄ちゃん、今度花火しようよ』

啓慈くんが剛さんのシャツを引っ張った。

『いいよ。面白いの買っておくよ』
『やったぁ』
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