絆テレパシー
「んじゃ、よろしく頼んだぞ!」
と声をかけられ、俺はハッとした。全く聞いていなかった。聞いていなかったと正直に言いもう一度いってもらおうと思ったが、すでに先生は教室を出ようとしていたのを確認してやめた。
(どうすっかな…)
俺は不意に神崎さんを見た。彼女は先生が話していたのであろう言葉を細かくメモしていた。
「あ、あの!」
反射的に声をかけてしまった。彼女はこちらを見る。彼女は長くもなく短くもない綺麗な黒髪を払うようにしてこちらを見た。
彼女は小首を軽くかしげ、まるで、何ですか?、といっているように見えた。
「えっと…その…」
ここでもう一度確認しておこう。
(俺はコミュ障だ。これも全部超能力の…)

(超能力についてお悩みですか?)

(………は?え?)
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