絆テレパシー
4章―過去―
帰宅すると俺は倒れるようにソファーに寝転んだ。激動の一日だった、と思う。反射的に誰かに聞かれているような気分になり羞恥を感じた。そして、それは杞憂であることを思い出す。
彼女は言った…いや、伝えてきた?…声に出して話すことのできない彼女にとって「テレパシー」は唯一の会話であり、限られた人へのコミュニケーションだ。まぁ、どちらでもいい。彼女は

(筒抜けの状態の改善方法は感覚で覚える方が早いです。それと、テレパシーにも伝達できる限界の距離というものはありますし、どちらかが伝達の道をシャットアウトすることでテレパシーの状態は解除できます。安心してくださいね)
とにこやかに言った。

よほど疲れを感じていたのか、俺はそのまま眠りにおちてしまった。
< 17 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop