私の人生でたった一度の恋でした。
ここから。
昨日は、あの後解散した。
たぶん、今日からは治療の日々に明け暮れるだろう。
でも、記憶を無くさないためには絶対やらないといけないから。
その事で、今日先生に呼び出されている。
「そろそろ時間かな…」
時計は、昼過ぎを指していた。
病室をでて、診察室に向かう。
こんな、近い距離さえ遠く感じる…。
コンコン
「はい。」
低い声。先生の声だ。
「星輝です。」
「どうぞ〜。」
ガラガラ
「失礼します。」
「こんにちわ、早速だけど。これからのことを話すね?」
「はい。」
いつになく、真剣な先生の目。
緊張が走る…。
「転移の話は聞いたよね?」
「はい。日常生活を記憶する場所だと。」
「うん、そうだね。じゃあ、これから幾つかの治療方法を教えるね。」
先生は、紙とペンを持ち説明し始めた。