私の人生でたった一度の恋でした。
「あ、あのさ。私、抗がん剤治療受けることにしたから。」
「「は?(へ?)」」
「それって、もしかして俺のせいか?昨日押し付けたから。」
「違うよ。自分の意思。記憶の方は完治できないけど、癌は治せるから。だからら、頑張るの。」
「そっか、星輝が決めたことなら応援するよ。」
「俺も。」
「ありがとう。って!もう面会時間終わっちゃうよ!」
「あ、やべ!」
「もっと、ゆっくりできる時間にくればいいのに。」
「それでも、星輝に会わないとね!」
「ありがとう!
後ね、一ついい忘れたことがあるよ。」
「なにー?なんか買ってきてもらいたいものとか?」
「ちがうよ。あのさ、抗がん剤治療は一週間後から始まるの。それで…」
ポタポタ
星輝の目から涙が落ちてきた。
「え?!どうした?どこか痛いところがあるのか!?」
叶星が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ちょっと待ってて!先生呼んでくる!」
歌優も、慌てて先生を呼びに行こうとしている。
「ちがうよ。私がいいたいことは…。
抗がん剤治療の間、一ヶ月間二人に会えないの…。」
「えっ…。」