私の人生でたった一度の恋でした。
治療
それから、治療に明け暮れた。
終わるのが2月10日当たりの予定だった。
本当にしんどくて死んでしまいたかった。
だけど、叶星も歌優も待ってる。
これが、唯一の救いだった。
何回も何回も倒れたり意識不明なったりもした。
今だから言える話、結構危なかったらしい。
いつ死んでもおかしくないくらい体が衰弱していた。
1ヶ月もしないうちに10キロ減少。
治療が終わった頃には、合計15キロ減少していた。
それから、2月10日。
やっと、面会ができるようになる。
最初は、親だけだからお父さんが来てくれたの。
これまでのことをずっと話していた。
二日目からは、叶星と歌優が会いに来てくれた。
衰弱したことには触れてくれなくてありがたかった、正直この体気持ち悪いもん。
だけど、笑顔で話してくれて本当に嬉しかった。
「星輝!久しぶりだね!」
「久しぶり!ごめんね、ベッドに寝たままで…。」
「気にすんなって!治療終わったばかりなんだかさ?」
叶星はいつも私や歌優のことばかりを一番に考えてくれている。
だけど、私にとっては叶星も大事な存在。
ちゃんと休んでほしいんだよ?
「もう〜!病室内でいちゃつかないでよ〜!」
「うるせー。お前だって彼氏できたからいいだろ!」
歌優に彼氏?!?!
「え?!どんな人!今度連れて来てよ!」
すごい気になるもん!!
「えっとね、叶星の友達なんだけど他校だよ?すごい優しくていい人なの。うん!今度連れてくるね?」
「惚気ちゃって〜♩」
「うるさいなぁ!////」
歌優は、顔を赤くしていて背けている。
「ゴホッ!コホッ、コホッ」
「星輝大丈夫か?たっく、無理するからだよ。飲み物買ってくるから寝てろ?」
話に夢中になっていてベッドから起き上がっていて、その上あんな大きい声を出したからむせてしまった。
すかざず、背中をさすってくれる叶星は本当に自慢の彼氏だ。
「ご、ごめんね?」
「おう。」
ガラガラ
「はぁ〜!叶星相変わらず溺愛してるね!聞いててこっちが恥ずかしくなるわよ〜」