私の人生でたった一度の恋でした。


「星輝、探したんだよ?さ、帰ろうじゃないか。」


「あ、や、いやだ!」



「星輝をはなして!!」


ドンッ!!


歌優は、あいつを押していた。



「なんだね、君は?星輝のお友達かい?
こんな時間まで付き合わせちゃって悪いね。さ、親も心配するだろう、帰りなさい。」



あくまでも、ここは外。
ここではなんにもできない。


だから、こんな話し方なんだ。



「あんだが、星輝にしてたことんてしってんだからね?ここで大声をだせばどーなる?」



「ちっ。今日は帰るが今度は連れて帰るからな。」



ドクンッ


心臓が変な音をたてる。


蘇る過去。


毎日、毎日殴られて蹴られて。
ご機嫌を伺いながら生きる生活。


あんなところに帰りたくない。

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